ポリニャック(読み)ぽりにゃっく(その他表記)Jules Auguste Armand Marie, prince de Polignac

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリニャック」の意味・わかりやすい解説

ポリニャック
ぽりにゃっく
Jules Auguste Armand Marie, prince de Polignac
(1780―1847)

フランス政治家名門の出。フランス革命の初期に両親とイギリスに亡命。1804年ナポレオンに対するカドゥーダルの王党的陰謀に加わって1813年まで禁錮に処せられた。王政復古後、上院議員となり過激王党(ユルトラ)派に属した。1823~1829年には駐英大使としてギリシア独立問題などに活躍。1829年8月穏和王党(モデレ)派のマルティニャックにかわって内閣を組織したが、反動的政策によって議会内外の自由主義者の強い反発を招いた。1830年6~7月選挙で反政府派がいっそう進出すると、シャルル10世緊急勅令によって議会解散、選挙法改正を命じ、七月革命の直接原因をつくった。革命後捕らえられ、終身禁錮を宣告されたが、1836年恩赦を受ける。

[服部春彦]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ポリニャック」の解説

ポリニャック
Jules Auguste Armand Marie, Prince de Polignac

1780~1847

フランス復古王政過激王党派の政治家,首相(在任1829~30)。1830年6~7月の選挙で反政府勢力が進出したのに対して,議会解散や出版物への統制強化など反動的政策を打ち出したため,七月革命を招いた。革命後投獄されたが,のちに恩赦で出獄

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百科事典マイペディア 「ポリニャック」の意味・わかりやすい解説

ポリニャック

フランスの政治家。ブルボン王党派の貴族。ナポレオン1世暗殺計画に加わり逮捕されたが,のち亡命。王政復古後,1829年外相,次いで首相。反動政策を強行し,アルジェリア遠征に成功したが,1830年七月革命誘発。1836年まで投獄された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ポリニャック」の解説

ポリニャック
Auguste Jules Armand Marie Prince de Polignac

1780〜1847
フランスの政治家
シャルル10世の下で外相・首相として反動政治を行い,アルジェリア侵略を開始。七月革命を誘発するに至った。

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