ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャルル10世」の意味・わかりやすい解説
シャルル10世
シャルルじっせい
Charles X
[没]1836.11.6. ゴリツィア
フランス王 (在位 1824~30) 。ルイ 15世の孫でルイ 16世,同 18世の弟にあたり,当初アルトア伯として知られる。バスティーユ陥落の直後亡命し,トリノから反革命運動に参加。次いで 1814年までドイツ,イギリスに滞在し,王政復古が成るや兄のルイ 18世から国王代理官に指名され,ユルトラ (極右王党派) の指導者として活躍。兄の死後フランス王となり (24) ,25年ランスでアンシアン・レジーム期の儀式にのっとって戴冠式を挙行,フランス革命期に所有地を政府に没収された亡命貴族を補償するための「十億フラン法」の制定,議会に対する強力な反動的てこ入れなどを行なった。このため各地で自由主義運動が広がり,パリでは L.ティエール,F.ミニェらが『ナショナル』紙を発行し,学生,小市民層の共和派と自由主義の結集に力を注いだ。このような情勢に議会は解散したが,新選挙は反政府派の勝利となり,国王はこれに対して出版の自由を停止し,選挙法改正をおもな内容とする「七月勅令」を発布した。これを契機に七月革命が起り (30) ,シャルルは孫のボルドー公に位を譲りイギリスに亡命。
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