マクロイ(その他表記)McCloy, John J.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マクロイ」の意味・わかりやすい解説

マクロイ
McCloy, John J.

[生]1895.3.31. ペンシルバニア,フィラデルフィア
[没]1989.3.11. コネティカット,スタンフォード
アメリカ合衆国の外交官,弁護士。フランクリン・D.ルーズベルトからロナルド・W.レーガンにいたるアメリカ歴代大統領の顧問を務めた。1921年,ハーバード大学ロースクール卒業。その後,ウォール街で法律事務所を開業。ニュージャージー州のブラック・トム島の軍需品工場が 1916年に爆破された事件を扱い,ドイツの諜報員による破壊活動であることを立証。それに目を留めたヘンリー・ルイス・スチムソン陸軍長官が 1941年にルーズベルト大統領を説得し,マクロイは陸軍次官補に推挙された。在職中に武器貸与法に対する議会の承認取り付けを助けた。日本への原子爆弾投下を知っていた数少ない文官の一人であり,日本に警告を発して降伏の機会を与えるべきと主張したが,却下された。1947~49年に国際復興開発銀行(世界銀行)総裁。1949~52年には駐ドイツ高等弁務官として民政を確立し,ドイツ連邦共和国(西ドイツ)の産業と商業再建の基礎を築いた。1953年以降は企業や財団の会長歴任。1953~60年にチェースマンハッタン銀行の会長,1953~70年に外交問題評議会の会長,1958~65年にはフォード財団の会長を務めた。1961年,ジョン・F.ケネディ大統領の首席軍縮担当顧問として東西の軍縮交渉再開に向けて協議し,軍備管理・軍縮庁設立の素案を起草した。ケネディ大統領暗殺事件調査のため 1963年に設置されたウォレン委員会のメンバーにもなった。死の直前まで外交顧問の職にあった。

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