翻訳|arms control
軍備の開発,実験,生産,配備,使用などについて,国際的に合意された一定の規制を加えること。1960年代におもにアメリカで用いられるようになった核抑止理論である。この考えの背景には,米ソの基本的対立を前提とした,軍備の削減は不可能であるとの現実的認識がある。すなわち,軍備を肯定したうえで,互いの軍備をチェックすることによって,奇襲攻撃の阻止,偶発攻撃の防止を図り,理性的判断をし,戦争を回避しようとするものである。このためには相互にコミュニケーションを密にすることが不可欠になる。63年に開設されたホワイト・ハウスとクレムリン間の直通回線(ホットライン)はその好例である。また,この理論は部分的核実験停止条約の実現をもたらした。しかし他方では,軍拡を正当化することにもなった。
→軍縮
執筆者:編集部
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…したがって〈軍備規制〉という観念は,一方で軍備競争防止のための規制を念頭におきながら,他方で軍備が少なすぎることのないような規制をも含意している。
[軍備管理]
これに一見類似した観念として,1960年代からアメリカを中心に広く用いられるようになった〈軍備管理arms control〉がある。国連憲章でいう〈軍備規制〉は,五大国とくに米ソの基本的一致が続くという前提に立ち,そうした協調関係にある米ソが軍事的に強力であることが世界平和の維持に必要だという考えに基づいていた。…
… そこで,安全保障の概念を拡大して,核抑止をとりまく状況の打開が求められるようになった。パルメ委員会による〈共通の安全保障〉概念が唱道され,安全保障の達成には,平和な世界をつくるための軍備管理をふくむ外交的努力が不可欠の要件となった。しかしそのためには,外交的努力の意図とそのための信頼醸成措置を基礎にすえた能力とが確立していなければならない。…
…したがって〈軍備規制〉という観念は,一方で軍備競争防止のための規制を念頭におきながら,他方で軍備が少なすぎることのないような規制をも含意している。
[軍備管理]
これに一見類似した観念として,1960年代からアメリカを中心に広く用いられるようになった〈軍備管理arms control〉がある。国連憲章でいう〈軍備規制〉は,五大国とくに米ソの基本的一致が続くという前提に立ち,そうした協調関係にある米ソが軍事的に強力であることが世界平和の維持に必要だという考えに基づいていた。…
※「軍備管理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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