マリタン(英語表記)Maritain, Jacques

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マリタン
Maritain, Jacques

[生]1882.11.18. パリ
[没]1973.4.28. ツールーズ
フランスの哲学者。ネオトミズムの代表者の一人で,同時に哲学の全領域にわたって自説を展開している。パリ大学で自然科学と哲学を学び,のちベルグソンを知って形而上学に開眼。 1904年詩人ライサと結婚し,06年2人でカトリックに入信。 06~08年ハイデルベルクのドリーシュのもとで生物学を学び,パリに帰ってからはベルグソンを批判,トマス哲学への傾斜を深めた。 14~39年パリのカトリック大学の近代哲学の教授。 33年からカナダ,トロントの中世研究学院の教授となり,41~42年アメリカのプリンストン大学,41~44年コロンビア大学の客員教授をつとめた。 45~48年バチカン駐在のフランス大使,48~60年プリンストン大学哲学教授。 58年ノートル・ダム大学にジャック・マリタン・センターが創立された。主著『ベルグソン哲学』 La Philosophie bergsonienne (1913) ,『芸術とスコラ哲学』 Art et scolastique (20) ,『認識の段階』 Distinguer pour unir,ou les degrés du savoir (32) ,『道徳哲学』 La Philosophie morale (60) 。

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百科事典マイペディアの解説

マリタン

フランスのカトリック哲学者。20世紀におけるトミズムの第一人者。アメリカ,カナダでも教え,トマス思想の世界的復興に尽力した。主著《認識の諸段階》(1932年),《全きヒューマニズム》(1936年),《人間と国家》(1951年)。
→関連項目吉満義彦

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世界大百科事典 第2版の解説

マリタン【Jacques Maritain】

1882‐1973
フランスのカトリック思想家,現代トミズムの代表的哲学者。トミズムが神学校の枠を超えて広く学界や論壇で影響力を及ぼすようになったのはマリタンの力によるところが大きい。トロント,シカゴ,プリンストン,ノートル・ダムなどの大学で教えたが,思想家としてのマリタンの本領は,知識人としてフランスおよび世界の社会的・政治的情勢に深くかかわりつつ,カトリック信仰とトマス哲学の原理にもとづいて,預言者的発言を行ったところにある。

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大辞林 第三版の解説

マリタン【Jacques Maritain】

1882~1973) フランスのカトリック哲学者。ネオトミスムの第一人者として、実在論の立場から近代思想の知的主観主義を批判、世界の秩序と神秘のうちに人間は回復されるべきだと主張した。著「芸術とスコラ哲学」「近代思想の先駆者」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マリタン
まりたん
Jacques Maritain
(1882―1973)

フランスの哲学者。パリに生まれる。1913年よりパリ・カトリック学院の教壇に立つ。第二次世界大戦中はカナダに亡命。1945~1948年駐バチカン市国大使。1948年よりアメリカのプリンストンその他の大学に籍を置いて活躍、1961年帰国した。彼は初めソルボンヌ大学(パリ大学)で哲学と自然科学を学んだが、やがてベルクソンの「生の哲学」に傾倒した。だがカトリックに入信し、聖トマスの教説に接して開眼するとともにベルクソン哲学とも決別した。彼は一般に新トマス主義者とよばれている。著書も多く、また論じたテーマも各方面にわたり、日本でも戦前岩下壮一(いわしたそういち)、吉満義彦(よしみつよしひこ)などのカトリック系哲学者たちに大きな感化を与えた。[西村嘉彦]
『三嶋唯義著『ジャック・エメ・アンリ・マリタン』(澤瀉久敬編『現代フランス哲学』所収・1968・雄渾社) ▽Jean Daujat Maritain un matre pour notre temps (1978, Tqui, Paris)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

マリタン

(Jacques Maritain ジャック━) フランスの哲学者。カトリック革新運動の指導者。新しいキリスト教的、実存主義的ヒューマニズムを提唱。主著「キリスト教と民主主義」「ベルグソン哲学」「霊性の優位」。(一八八二‐一九七三

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