マルカタ(英語表記)Malkata

世界大百科事典 第2版の解説

上エジプトの西テーベ地区南端にある古代エジプト第18王朝アメンヘテプ3世の宮殿址を中心とする遺跡。日乾煉瓦造の遺構は数少ない新王国宮殿の発見例として重要であり,アマルナ美術と共通する壁画をもち,巨大な人工池を伴う。宮殿南方のイシス神殿(2世紀建造)周辺では1971年以来早稲田大学古代エジプト調査隊の発掘が行われ,彩色階段を伴うアメンヘテプ3世の祭殿址,ローマ時代の神官住居址墓地が発見されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古代エジプトの首都テーベ(現ルクソール)にある遺跡。マルカタにある王宮址(し)は新王国第18王朝の王アメンヘテプ3世(在位前1417ころ~前1379ころ)のもので、王は国家神アメンの神官団の横暴を嫌い、テーベ東岸を離れて当時死者の地と考えられていたナイル川西岸に王宮を建てた。王宮址は宮殿のほかに神殿、貴族や職人の住宅、工房などが含まれる。王宮の東には王妃ティイのためにつくられた人工池ビルケット・ハブの跡がある。王宮址から南へ約2キロメートル離れたマルカタ遺跡は1971年以降、早稲田(わせだ)大学により発掘調査が続けられている。1973年マルカタ南、魚の丘遺跡からは彩色階段をもつアメンヘテプ3世の祭儀用建物址が発見された。[吉村作治]
『吉村作治著『エジプト史を掘る』(NHKブックス)』

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世界大百科事典内のマルカタの言及

【エジプト美術】より

…中央広間には壁に接して一段高い壇が主人の座としてあり,反対側に設けられた壇には手を洗う水がめが置かれていた。マルカタに発見された宮殿も,居室部分の構成はこれと似ている。ディール・アルマディーナなどの職人の町にはもっと簡素な住宅が知られている。…

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