マルメー(その他表記)Malmö

改訂新版 世界大百科事典 「マルメー」の意味・わかりやすい解説

マルメー
Malmö

スウェーデン最南部,最も肥沃な農業地帯スコーネ地方の中心都市。人口26万9000(2004)でスウェーデン第3位。デンマークの首都コペンハーゲンとエーレスンド(エアスン)海峡を挟んで対峙し,国内の鉄道の重要な接続駅として,またデンマークを経由したヨーロッパ大陸からの海の玄関口として重要である。貿易港としては,スウェーデン第3位の貿易高を占め,桟橋の総延長は10.5kmに及び,三つの乾ドックと非関税桟橋(1922から)があり,工業都市としても重要である。マルメーは12世紀に都市の起源を有し,14世紀にニシン漁によって栄え,リューベックなどハンザ諸都市との交易の中心地となり,1353年に市場権を得,16世紀にはコペンハーゲンに次ぐデンマーク第2の都市に成長した。1658年ロスキレの和約により,有史以来の祖国デンマークを離れ,スウェーデン領となって現在に至る。なおマルメーと対岸のコペンハーゲンを結ぶ橋が,2000年7月に開通した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルメー」の意味・わかりやすい解説

マルメー
Malmö

スウェーデン南端部,マルメーフース県の県都。エーレスンド海峡に面する海港で,スウェーデン第3の工業都市。エーレスンド海峡をはさんでデンマークのコペンハーゲンと対する。 13世紀末に都市として勅許され,中世後期にマルメー港のニシン貿易が隆盛をきわめるに及んでリューベックから多くのドイツ商人が移住し,エルボーゲンと呼ばれた。 1658年までデンマーク領。 1775年から近代的な港湾施設の拡充が始り,次第に港勢が伸長した。重要な貿易港で,石炭,石油,金属,化学製品を輸入し,穀物飼料,砂糖,セメントなどを輸出。そのほか船舶,車両,織物衣料,加工食品などの製造が行われる。中央広場に 16世紀の公会堂があるほか,マルメーフース城 (16世紀) ,聖ペテロ聖堂 (14世紀) などの歴史的建造物が多い。人口 23万 4796 (1992推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「マルメー」の意味・わかりやすい解説

マルメー

スウェーデン南部の港湾都市。エーアソン海峡をはさんで対するコペンハーゲンと鉄道連絡船で結ばれていたが,2000年7月に橋(全長1624m)とトンネルが開通した。デンマーク経由のヨーロッパ大陸からの海の玄関口。造船機械製糖紡織化学工業が行われる。1150年ごろ建設。中世以来ハンザ同盟都市として栄え,14世紀の教会,16世紀の市庁舎などが残っている。1658年までデンマーク領であった。30万7758人(2012)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android