マンガン乾電池(読み)マンガンかんでんち(その他表記)carbon-zinc cell(battery)

改訂新版 世界大百科事典 「マンガン乾電池」の意味・わかりやすい解説

マンガン乾電池 (マンガンかんでんち)
carbon-zinc cell(battery)

現在最も広く利用されている一次電池陽極活物質は二酸化マンガンMnO2,陰極活物質は亜鉛Zn,電解液は塩化亜鉛ZnCl2塩化アンモニウムNH4Clの水溶液である。液にはデンプンなどを加えて糊状とし漏液しないようにしてあることから乾電池の名がある。起電反応は,

 陰極 Zn+2NH4Cl─→[Zn(NH322⁺+2H⁺

+2Cl⁻+2e⁻

 陽極 MnO2+H⁺+e⁻─→MnO(OH

である。陽極合剤はMnO2グラファイトの粉を混ぜ,電導性をよくしている。起電力は1.5V。放電特性は図に示したとおりで,放電量の増加とともに電位も徐々に低下し,電圧の平坦性はあまりよくない。エネルギー密度は20~50Wh/kg,40~100W/l程度。
乾電池
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マンガン乾電池」の意味・わかりやすい解説

マンガン乾電池
マンガンかんでんち
manganese dry cell

懐中電灯ラジオ,その他に広く使われている乾電池。定格電圧は 1.5V。 1866年頃にジョルジュ・ルクランシェが発明したので,ルクランシェ電池とも呼ばれる。炭素棒を陽極とし,これを二酸化マンガンを主とした合剤で包み,陰極として亜鉛缶を用いる。電解質溶液には塩化アンモニウムと塩化亜鉛の混合水溶液を用い,紙,綿,デンプンなどで糊状にして液体がこぼれない構造にしている。電解質溶液に水酸化カリウムを用いるアルカリマンガン乾電池へと進化している。 (→電池 )

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