日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユリウス(2世)」の意味・わかりやすい解説
ユリウス(2世)
ゆりうす
Julius Ⅱ
(1443―1513)
ローマ教皇(在位1503~13)。前名ジュリアーノ・デッラ・ロベーレGiuliano della Rovere。教皇シクストゥス4世の甥(おい)。元アビニョン大司教、フランス教皇特使、枢機卿(すうききょう)。ピウス3世の短い在位ののち、教皇位につく。おもな業績は、教皇の世俗権の回復と拡大であり、しばしば自ら軍を率いて戦場に立った。1504年、チェーザレ・ボルジャをイタリアから追い払った。09年にフランスとカンブレー同盟を結んでベネチアと戦い、ついでベネチアと神聖同盟を結んでフランスと敵対した。12年に第5回ラテラン公会議を招集し、ガリカニズムを退けた。ラファエッロ、ミケランジェロ、ブラマンテら芸術家たちの保護者であった。
[佐藤三夫]