ライトノベル(読み)らいとのべる

デジタル大辞泉 「ライトノベル」の意味・読み・例文・類語

ライト‐ノベル

《〈和〉light+novel》10代から20代の読者を想定した、娯楽性の高い小説。会話文を多用するなどして、気軽に読める内容のものが多い。ラノベ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「ライトノベル」の解説

ライトノベル

娯楽小説ジャンルの1つで今世紀に入って定着した和製英語。従来のジュニア小説が発展したものだが、ライト(軽い)という呼称に違和感をもつ出版人もいて、他の小説との違いは何か、境界線はどこかといった定義論争も話題を呼ぶ。作家や読者らの投票で作品ランキングを毎年発表する『このライトノベルがすごい!』(宝島社)編集部によると「カバーと本文にイラストを使い、主に10代の読者層に向けたキャラクター小説」を指す。加えて批評家・翻訳家の大森望は共著『ライトノベル☆めった斬り!』(大田出版)の中で「大人が子供に向かって書くのではなく、若い作家が同時代感覚を共有する若い読者に向かって書いている」「おたく文化/同人誌文化の強い影響下にある」ことも条件に挙げる。2006年の市場規模(出版科学研究所調べ)は、新刊2233点、出回り部数7800万冊、販売金額344億円で、年率2桁(けた)の成長。文庫レーベル(シリーズ)での刊行主流で、電撃文庫(メディアワークス)、富士見ファンタジア文庫(富士見書房)、角川スニーカー文庫(角川書店)など角川グループが市場の7割を占有。そこへ07年にガガガ文庫ルルル文庫小学館が創刊して参入。マンガ、アニメゲームとのメディアミックス特徴とするこの分野は伸び盛りにある。1999年にライトノベルでデビューした桜庭一樹は08年上半期の直木賞を受賞した。

(村上信明 出版流通ライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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