ライトノベル(読み)らいとのべる

デジタル大辞泉 「ライトノベル」の意味・読み・例文・類語

ライト‐ノベル

《〈和〉light+novel》10代から20代の読者を想定した、娯楽性の高い小説。会話文を多用するなどして、気軽に読める内容のものが多い。ラノベ

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共同通信ニュース用語解説 「ライトノベル」の解説

ライトノベル(軽小説)

表紙挿絵アニメ風のイラストを載せた若者向けエンターテインメント小説。会話文が多く、手軽に読めるのが特徴ラブコメディーのほか、ファンタジーSFの要素を含む作品が多い。近年市場が拡大し、日本の文庫本の5冊に1冊がライトノベルという状況を生んだ。2000年代には谷川流たにかわ・ながるさんの「涼宮すずみやハルヒ」シリーズ(スニーカー文庫)、近年は川原礫かわはら・れきさんの「ソードアート・オンライン」(電撃文庫)がヒットした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ライトノベル」の意味・わかりやすい解説

ライトノベル
らいとのべる

小説の分類の一つ。SFやホラーミステリー、ファンタジー、恋愛などの要素を、軽い文体でわかりやすく書いた若者向けの娯楽小説をいうが、明確な定義はない。英語のlight(軽い)とnovel(小説)を組み合わせた和製英語であるが、「軽い」という訳については異論もある。略してラノベともいう。文庫版や新書版の判型をとった比較的安価な本が多いことが特徴の一つで、アニメのような絵が表紙や挿絵にふんだんに使われていることが多い。アニメやコミック化、ゲームソフト化、音楽、インターネットを活用した宣伝などのメディアミックスが積極的に行われ、著名漫画家やミュージシャン起用も盛んである。電撃文庫や富士見ファンタジア文庫(いずれも角川グループ)、スーパーダッシュ文庫(集英社)、HJ文庫(ホビージャパン)、ガガガ文庫小学館)などの文庫シリーズが有名である。

 1988年(昭和63)に刊行された角川スニーカー文庫と富士見ファンタジア文庫がライトノベルの草分け的存在といえ、100万部を超えるベストセラー作品もあり、人気作家を多数輩出している。谷川流(たにがわながる)(1970― )の「涼宮(すずみや)ハルヒ」シリーズ(角川スニーカー文庫)は、発行済みの全11作品の累計で部数は850万部を超えている(2012年5月時点)。また、角川書店スニーカー大賞、小学館ライトノベル大賞、ソフトバンクGA文庫大賞など、ライトノベルを対象とした文学賞も多くつくられている。2008年(平成20)に『私の男』で第138回直木賞を受賞した桜庭一樹(さくらばかずき)(1971― )のように、ライトノベル出身で純文学や大衆小説のジャンルで活躍する作家も増えている。

[編集部]

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知恵蔵 「ライトノベル」の解説

ライトノベル

娯楽小説ジャンルの1つで今世紀に入って定着した和製英語。従来のジュニア小説が発展したものだが、ライト(軽い)という呼称に違和感をもつ出版人もいて、他の小説との違いは何か、境界線はどこかといった定義論争も話題を呼ぶ。作家や読者らの投票で作品ランキングを毎年発表する『このライトノベルがすごい!』(宝島社)編集部によると「カバーと本文にイラストを使い、主に10代の読者層に向けたキャラクター小説」を指す。加えて批評家・翻訳家の大森望は共著『ライトノベル☆めった斬り!』(大田出版)の中で「大人が子供に向かって書くのではなく、若い作家が同時代感覚を共有する若い読者に向かって書いている」「おたく文化/同人誌文化の強い影響下にある」ことも条件に挙げる。2006年の市場規模(出版科学研究所調べ)は、新刊2233点、出回り部数7800万冊、販売金額344億円で、年率2桁(けた)の成長。文庫レーベル(シリーズ)での刊行が主流で、電撃文庫(メディアワークス)、富士見ファンタジア文庫(富士見書房)、角川スニーカー文庫(角川書店)など角川グループが市場の7割を占有。そこへ07年にガガガ文庫とルルル文庫を小学館が創刊して参入。マンガ、アニメ、ゲームとのメディアミックスを特徴とするこの分野は伸び盛りにある。1999年にライトノベルでデビューした桜庭一樹は08年上半期の直木賞を受賞した。

(村上信明 出版流通ライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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