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ラセミ体の分割 ラセミたいのぶんかつresolution of racemic modification

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ラセミ体の分割
ラセミたいのぶんかつ
resolution of racemic modification

単にラセミ分割あるいは光学分割ともいう。ラセミ体をその成分の光学対掌体に分けること。医薬品,食品のなかには光学活性物質が多いので,この方法は実験室だけでなく工業的にも重要である。おもな分割方法には次のようなものがある。 (1) 機械的分割法 ラセミ体を適当な溶媒,濃度,温度のもとで再結晶すると左右像に分割されて,d 体および l 体がそれぞれ異なった結晶形をもって析出してくる。しかし,この方法によって分割できる例は少い。 (2) 化学的分割法 ラセミ体と,これと反応しやすい光学活性物質とを化合させ,生成化合物を物理化学的性質の差によって分別したのち,分別された各化合物を分解して,もとのラセミ体の対掌体を得る方法。たとえばラセミ体が酸である場合,このラセミ体 ( dl 体) に光学活性な塩基 l' を加えると2種の塩 dl' および ll' ができる。これらの塩は互いにジアステレオマーであって物理化学的性質が異なる。溶解度の差が異なる場合には溶液から再結晶することによって分別することができる。光学活性塩基としてはアルカロイド (たとえばブルシン,シンコニンなど) が用いられる。 (3) 生化学的分割 光学対掌体はある種の細菌または菌類に対して異なった作用を示す。すなわちラセミ体の希薄溶液に特定の菌を培養すると d 体,l 体の一方がよりすみやかに同化されて,他方が残留する。酒石酸アンモニウムはアオカビの一種によって d 体だけが消費される。この方法では dl 両体を取出すことはできない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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