神経線維(軸索)の周囲を取り巻いて絶縁装置の役を果たしている髄鞘(ずいしょう)は、鞘状の連続性ではなく、一定の間隔(数十マイクロメートル~数百マイクロメートル)でくびれている。このくびれ部分がランビエ絞輪で、この部分では髄鞘が中断している。ランビエ絞輪の名称は、1878年にフランスの解剖学者ランビエL. A. Ranvier(1835―1922)によって発見されたことによっている。
ランビエ絞輪は中枢神経系、末梢(まっしょう)神経系のいずれの神経線維にも存在し、神経線維が枝分れ(側副枝)する場合にはこの部分からおこる。ランビエ絞輪の意味についてはさまざまな説があるが、神経の興奮伝導の際には、その興奮は絞輪から絞輪へと跳躍して伝えられることがわかっている(これを跳躍伝導という)。
[嶋井和世]
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