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レアンドロス

百科事典マイペディアの解説

レアンドロス

ギリシア伝説で,小アジアのアビュドスの青年。対岸のセストスに住むアフロディテの巫女ヘロを恋し,夜ごとヘレスポントス海峡(ダーダネルス海峡)を泳ぎ渡って会っていたが,嵐の夜,目じるしの灯が消え溺死(できし)し,ヘロは悲しみのあまり入水自殺したという。

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世界大百科事典 第2版の解説

レアンドロス【Leandros】

ギリシア伝説で,アビュドス(ヘレスポントス海峡最狭部の小アジア側の町)の青年。ラテン名レアンデルLeander。祭礼のおり,対岸(ヨーロッパ側)の町セストスで女神アフロディテの巫女ヘロHērōと知り合い,以後,彼女の掲げる灯火をたよりに,毎夜海峡を泳ぎ渡って逢瀬を重ねていたが,ある夜,嵐のために火が消え,彼は目標を失って溺れ死んだ。それを知ったヘロも,海に身を投じて恋人のあとを追ったという。ヘレニズム時代に生まれたこの悲恋物語はローマ詩人オウィディウスの《名婦の書簡》によって後世に伝えられ,5世紀の叙事詩人ムーサイオスの《ヘロとレアンドロス》を介して,イギリスの詩人マーローの物語詩《ヒアローとリアンダー》(1598年に死後出版)を生んだ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

レアンドロス
れあんどろす
Leandros

古代ギリシアの物語の主人公。ヘレスポントス海峡を挟んでアジア側の町アビドスに住むレアンドロスは、対岸の町セストスでアフロディテに仕える巫女(みこ)ヘーローに恋をする。彼は、夜ごと彼女が塔にともす明かりを目標に海峡を泳ぎ渡り、恋人との人目を忍ぶ逢瀬(おうせ)を重ねる。しかしある夜嵐のために明かりが消えたため、方向を失ったレアンドロスは力尽きて溺(おぼ)れ死ぬ。これを知ったヘーローも海に身を投じる。
 この物語は、文献的にはヘレニズム期のパピルスに初めてみえ、オウィディウスの『名婦の書簡』や、ムサイオスの『ヘーローとレアンドロス』などに歌われている。また近代では、シラーの同名のバラーデ、グリルパルツァーの戯曲『海の波恋の波』などがある。[中務哲郎]

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