イギリスの精神科医。従来の医学的疾病観に立つ精神医学を否定し,社会的・政治的枠組みの中で精神障害が作り出されるとする,〈反精神医学〉の理論家。グラスゴーに生まれ,ロンドンのタビストック・クリニックに勤務した後,精神分析医として開業。1965年には,独自の治療観に基づいた診療施設キングズリー・ホールを開設した。28歳で発表した《ひき裂かれた自己》(1960)は,精神分裂病(統合失調症)ないし分裂病質(統合失調病質)の人間学的・実存分析的研究として名高い。おもに分裂病の精神療法,家族研究に従事し,著作はほかに《自己と他者》(1961),《狂気と家族》(1964),《家族の政治学》(1971)など多数にのぼる。
執筆者:馬場 謙一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…1960年代に現れた精神医学における思想的潮流で,伝統的精神医学の疾病論を否定する立場をさす。この主張の代表的人物として,アメリカのサスT.Szasz,イギリスのクーパーD.CooperとR.D.レイン,フランスのマノーニM.Mannoniらをあげることができる。反精神医学は,従来の伝統的精神医学が身体病にならって築きあげてきた疾病論を批判し,これに基づいて精神病者を収容し治療することへの異議を唱え,狂気の社会(政治)的共謀因説を主張するものであるが,とりわけその対象とする疾患は精神分裂病である。…
※「レイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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