日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロカテッリ」の意味・わかりやすい解説
ロカテッリ
ろかてっり
Pietro Antonio Locatelli
(1695―1764)
イタリアの作曲家、バイオリン奏者。9月3日ベルガモに生まれ、おそらく同地で教育を受けたのちローマに出た。コレッリに師事したと伝えられるが、むしろそのライバルだったジュゼッペ・バレンティーニに師事した可能性が強い。バイオリンの名手としてマントバ、ベネチア、ミュンヘン、ベルリンなどで成功を収めた。1729年にアムステルダムに定住し、同地を中心に活躍したのち、64年3月30日、そこで世を去っている。12曲のバイオリン協奏曲とそのカデンツァとして書かれた24のカプリッチオからなる曲集『バイオリンの技法』(作品三。1733)にみられる技巧性から「18世紀のパガニーニ」とも評されるが、作曲家としての評価も高い。
[樋口隆一]