ローリッツェン検電器(読み)ローリッツェンケンデンキ

化学辞典 第2版 「ローリッツェン検電器」の解説

ローリッツェン検電器
ローリッツェンケンデンキ
Lauritsen electroscope

金ぱく検電器と同じ動作原理であるが,瓶に相当する部分が電離箱となり,金ぱくに相当する部分がきわめて細い導電性の水晶糸(直径3 μm,長さ6 mm)となっている.これをあらかじめ適当な電圧で充電して水晶糸の角度を開いておき,電離箱内に入射する放射線によって生じたイオンによりしだいに電荷を失って水晶糸の角度が閉じていくようすを,接眼部に目盛が刻まれた顕微鏡で観測し,入射放射線量を知る.この検電器は入射窓の厚さをかえることにより,α,β,γのいずれの放射線についても測定可能であり,また電離箱の下部に設けられた試料皿の棚の位置を変化させることによって,放射能の測定範囲を広くとることができる.感度は比較的高く,1 mCi のラジウム線源を1 m の距離に置いたとき,1分間に約5目盛の振れがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローリッツェン検電器」の意味・わかりやすい解説

ローリッツェン検電器
ローリッツェンけんでんき
Lauritsen electroscope

放射線の被曝量を測定するのに用いられる検電器。金メッキをした細い石英糸 (約 3μm ) を,L字形の針金一端に取付ける。最初全体を帯電させると,石英糸は斥力を得て針金から遠ざかる。これに放射線が入ってくると,電離によって生じたイオンが引寄せられ,電荷を中和するので石英糸のふれが減少する。ふれは顕微鏡で読取る。電気容量が小さい (約 0.2pF) ので感度が高い。X線発生装置,加速器原子炉の近くで働く人は携帯型を身につけて,受けた放射線量をはかる。

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