検電器(読み)ケンデンキ

デジタル大辞泉 「検電器」の意味・読み・例文・類語

けんでん‐き【検電器】

微小な電圧電流有無などを調べる高感度の装置。検流計・磁束計電位計はく検電器など。

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精選版 日本国語大辞典 「検電器」の意味・読み・例文・類語

けんでん‐き【験電器・検電器】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物体の帯電の状態を調べる装置。静電誘導電気反発力を利用したもので、箔(はく)験電器・ローリッツェン験電器などがある。〔現代大辞典(1922)〕
  3. 電気回路の微小電圧、微小電流または零点の検出などに用いる器具の総称。検流計、マジックアイ、電気計など。
  4. 屋内配線などの回路の電圧の有無を調べる携帯用器具。高抵抗を通じてネオンランプを点灯させるようにした万年筆形のもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「検電器」の意味・わかりやすい解説

検電器
けんでんき

微小な電圧や電流の有無を検出する高感度の装置。用途や構造によっていろいろなものがあるが、直流検流計、交流検流計(振動検流計)、磁束計、電位計、受話器、箔(はく)検電器などがあげられる。

 平成年代に入るころから、電子回路を用いた増幅器で微小入力を変調・増幅し、その出力をじょうぶな計器で指示させ、全体として高感度にするとともに、微妙な操作や取扱いの煩わしさを少なくした検電器が広く用いられてきている。受話器は300~5000ヘルツの微小交流電流の検出に簡便な装置である。また箔検電器は、古くから静電気の電気量の有無、プラス・マイナスの極性判別などに用いられている簡便な電気量検出器である。

 電気回路が充電されているかどうかを簡単に検出する器具として電気工事士などが使う検電器は、高抵抗と小さなネオン管直列にしたものを、ペンシルあるいはドライバーに組み込んだもので、先端の金属部分を回路の充電部分に当てると、かすかに発光するようになっている。

[高尾利治]


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改訂新版 世界大百科事典 「検電器」の意味・わかりやすい解説

検電器 (けんでんき)
electroscope

一般に微小電圧・電流および電荷の検出に用いられるものを検電器と呼び,検出器detectorと同義となる。直流検流計,微小電圧・電流を増幅するチョッパー形直流増幅器,電位計,交流増幅器などがこれに相当する。

 狭義の検電器は電荷の有無,帯電状態,静電気の検出に用いられるものをいう。静電力を利用し電荷を指示する装置が用いられる。コンデンサー両極にチャージされた電荷の静電引力を回転変位に直す象限電位計,金またはアルミニウムの薄い2枚の金属箔をつり下げ,帯電による反発力を利用する箔検電器などがある。放射線検出に用いられる線量計も一種の検電器である。最近では電位計がこれらに代わって用いられるようになった。電界効果トランジスターを用いた高入力抵抗の電位計,コンデンサーを振動させ,直流を交流に変換して増幅する振動容量形の電位計が多く用いられる。いずれも微小電流・電圧のほか,積分器を利用して電荷の測定ができるものである。
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百科事典マイペディア 「検電器」の意味・わかりやすい解説

検電器【けんでんき】

物体の帯電の状態を調べる装置。2枚の薄い金属箔(はく)を金属棒の先に下げ,絶縁物で支持した箔検電器が広く使われる。頭部に帯電物を近づければ静電誘導により箔が同種の電気を帯び,反発力により開く。帯電物を直接接触させれば一部の電気が箔に移って,帯電物を離した後も開く。また検電器に電気を与えて箔を開かせておき,これに外部から放射線を当てると,放射線の電離作用によって箔の電気が放電して箔が次第に閉じる。その速さを顕微鏡で測定すれば放射線源の強度の比較測定ができる。
→関連項目ボルタ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「検電器」の意味・わかりやすい解説

検電器
けんでんき
electroscope

物体の帯電の有無とその正負の別を調べる電離箱の簡単な装置。箔検電器では2枚の金属箔の開きによって帯電の大小を知る。放射線による電離電流をはかるローリッツェン検電器は,箔の代りに金メッキした水晶糸を用いる。帯電現象に限らず,電圧や電流の検出に用いる計測器を一般に検電器と呼び,高感度の電圧計,静電型電流計または受話器などがこれに属する。

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