微小な電圧や電流の有無を検出する高感度の装置。用途や構造によっていろいろなものがあるが、直流検流計、交流検流計(振動検流計)、磁束計、電位計、受話器、箔(はく)検電器などがあげられる。
平成年代に入るころから、電子回路を用いた増幅器で微小入力を変調・増幅し、その出力をじょうぶな計器で指示させ、全体として高感度にするとともに、微妙な操作や取扱いの煩わしさを少なくした検電器が広く用いられてきている。受話器は300~5000ヘルツの微小交流電流の検出に簡便な装置である。また箔検電器は、古くから静電気の電気量の有無、プラス・マイナスの極性判別などに用いられている簡便な電気量検出器である。
電気回路が充電されているかどうかを簡単に検出する器具として電気工事士などが使う検電器は、高抵抗と小さなネオン管を直列にしたものを、ペンシルあるいはドライバーに組み込んだもので、先端の金属部分を回路の充電部分に当てると、かすかに発光するようになっている。
[高尾利治]
一般に微小電圧・電流および電荷の検出に用いられるものを検電器と呼び,検出器detectorと同義となる。直流検流計,微小電圧・電流を増幅するチョッパー形直流増幅器,電位計,交流増幅器などがこれに相当する。
狭義の検電器は電荷の有無,帯電状態,静電気の検出に用いられるものをいう。静電力を利用し電荷を指示する装置が用いられる。コンデンサーの両極にチャージされた電荷の静電引力を回転変位に直す象限電位計,金またはアルミニウムの薄い2枚の金属箔をつり下げ,帯電による反発力を利用する箔検電器などがある。放射線検出に用いられる線量計も一種の検電器である。最近では電位計がこれらに代わって用いられるようになった。電界効果トランジスターを用いた高入力抵抗の電位計,コンデンサーを振動させ,直流を交流に変換して増幅する振動容量形の電位計が多く用いられる。いずれも微小電流・電圧のほか,積分器を利用して電荷の測定ができるものである。
執筆者:平山 宏之
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