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電離箱 でんりばこionization chamber

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電離箱
でんりばこ
ionization chamber

イオン化ともいう。気体または液体中で放射線電離作用によってつくられた電子と陽イオンの量を測定し,それによって放射線の強度を測定する装置。気体または液体中に1対の電極を入れ,その間にあまり高くない適当な直流電圧を加えると,両極板に集る電子および陽イオンの数が放射線の電離損失のエネルギーに比例する現象を利用する。電離箱ではかられた放射線の強度を電離強度という。

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デジタル大辞泉の解説

でんり‐ばこ【電離箱】

放射線検出器の一。放射線が入射すると器内の気体が電離し、電極間に電流が流れるようにしたもので、電極で放射線の線量やエネルギーなどを測定する。

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百科事典マイペディアの解説

電離箱【でんりばこ】

放射線による気体の電離作用を利用して放射線を電気的に検出測定する装置。気体内に向かい合わせた二つの電極の間に高い電圧をかけ,通過した放射線の電離作用によって生じた電子またはイオンを電極に集める。

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世界大百科事典 第2版の解説

でんりばこ【電離箱 ionization chamber】

1920年代に開発された荷電粒子検出装置で,概略的には正負の電極間にアルゴンなどのガスの入った箱である。電極間に電圧がかかっているときに荷電粒子がガス中を通ると,ガス分子が電離され,発生した電子はすみやかに正の電極へ移動するので,荷電粒子が電離箱へ入ったことが正電極の電位の変化により検出できる。また荷電粒子が継続的に電離箱に入射されれば正電極の平均電流より粒子の入射量が測定できる。電極間の電圧を増加させると電離した際に発生した電子がガスと衝突して二次電子が発生し,その数は荷電粒子がガス中で失ったエネルギーに比例するので,粒子の計数とエネルギーの推測が可能になる。

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大辞林 第三版の解説

でんりばこ【電離箱】

放射線検出器の一。放射線が気体中を通過する時の電離作用で発生した電子とイオンとを再結合が起こらないように電場をかけて電極に集めて電気信号として取り出し、放射線の強度・線量・エネルギーを知る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電離箱
でんりばこ

放射線が物質中を通過するときの電離作用で発生する電子とイオンを集めることにより、放射線の強度や線量またエネルギーを測定する装置。電離物質としてアルゴンガスや有機ガスが用いられるが、中性子などには三フッ化ボロンを使用する。高分解能でエネルギーを測定する半導体検出器も電離物質として半導体を用いた電離箱の一種である。向かい合わせた2枚の平板または同心円筒の電極の間に直流電圧をかけて電離イオンや電子を電極に集める。放射線が電離で失うエネルギーと生成イオンの電荷総量とは一般に比例関係にあるので、電極から取り出された電気的信号によって放射線の線量やエネルギーが測定される。測定法としては、電流を測定して単位時間当りの検出放射線量を求める古くからの方法と、のように陽極を抵抗Rを通して接地し陽極の電圧変化ΔVを測定する方法とがある。
 電圧変化の測定では、電位計によって一定時間中の電離の量を計る線量計方式と、電離箱にパルス増幅器と計数器を接続して放射線を一個ごとにパルス的に計測する場合とがある。パルス計測では計数だけではなく、パルスの大きさによって放射線のエネルギー分布も測定される。平板電極型の電離箱では、パルスの大きさが電離場所によって影響されるのを防ぐために、グリッド電極を二つの電極の間に挿入するものもある。
 放射線監視器や放射線発生機器周辺の粒子線強度測定に使用され、とくにローリッツェン検電器を内蔵したものは放射線ポケット線量計として一般に普及している。素粒子の実験では1980年前後から液体アルゴン封入の電離箱が、粒子線軌跡やエネルギー測定に利用されている。[池上栄胤]

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