静電容量ともいう。コンデンサー,または単独の導体が,電荷を蓄える能力を表す量。コンデンサーの極板間に電圧をかけると,両極板上には電圧に比例した電荷が蓄えられる。極板間の電圧をV(V),両極板の上の電荷を±Q(C)とし,上記の比例関係をQ=CVと表すとき,比例定数Cをそのコンデンサーの電気容量と呼ぶ。すなわち,1Vの電圧をかけたときに極板に帯電する電気量が電気容量である。電気容量が大きいほどコンデンサーの能力が大きい。上の関係からわかるように電気容量の単位はC/Vであるが,これをファラド(F)と呼ぶ。実用上はこの単位は大きすぎるので,μF=10⁻6F,pF=10⁻12Fなどが用いられる。平行板コンデンサーの電気容量は極板の面積に比例し,極板間の間隔に反比例する。また極板間に誘電体をはさめば,その誘電率に比例して電気容量は増加する。単独の導体の電気容量を定義するには,上記の比例関係のVとして,その導体と無限遠との間の電位差を用いる。すなわち単独の導体の電気容量とは,その導体と無限遠にある仮想的な導体が一つのコンデンサーをつくるとみなすときの,そのコンデンサーの容量にほかならない。導体が球のとき,その電気容量は半径に比例して増大する。
→コンデンサー
執筆者:加藤 正昭
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導体やコンデンサーが電荷を蓄える能力を表す量。静電容量とも、キャパシタンスとも、単に容量ともよぶことがある。絶縁された導体に電荷Qを与えたときの電圧がVであるとき、その導体の電気容量はQ/Vであるという。またコンデンサーのように対向する導体にそれぞれ電荷QとマイナスQを与えたとき、二導体間の電気容量はQ/Vであるという。導体の使用状態に応じて対地間容量、線間容量、コンデンサー容量などとよぶ。
単位にはファラド(F)を用いるが、大きすぎるので普通はその100万分の1のマイクロファラド(μF)や1兆分の1のピコファラド(pF)を用いる。電気容量の逆数はエラスタンスまたは逆容量とよぶ。
[岩田倫典]
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