ワタリガラス(その他表記)Corvus corax; northern raven

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワタリガラス」の意味・わかりやすい解説

ワタリガラス
Corvus corax; northern raven

スズメ目カラス科カラス科の最大種で,全長 58~69cm。全身光沢のある黒色で,喉の羽毛はやや長く鱗状に重なる。尾羽は凸尾。北半球一帯に広く繁殖分布するが,日本では冬季少数北海道に渡来するのみである。平地から高山帯までさまざまな環境に生息しており,それぞれの生息環境に適応した習性をもっている。たとえば,北極圏に分布するものはおもに沿岸域に生息し,海岸の岩崖の棚部に枝を積み重ねて大きな巣をつくるが,内陸部のものは巨木の上や低木茂みの上などに営巣し,毎年同じ巣を使って繁殖する習性がある。雑食性で,食べ物も暮らす場所で手に入りやすいものを食べ,生息場所で変化する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワタリガラス」の意味・わかりやすい解説

ワタリガラス
わたりがらす / 渡鴉
raven
[学] Corvus corax

鳥綱スズメ目カラス科の鳥。全長約65センチメートル。全身黒色の大形カラスで、北半球の温帯以北に広く分布するが、東アジアでは繁殖せず、日本には冬に北海道北東部沿岸に渡来するのみである。

浦本昌紀


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世界大百科事典(旧版)内のワタリガラスの言及

【カラス(烏∥鴉)】より

…九州北部で〈千羽烏〉〈渡り烏〉といわれているのはこのミヤマガラスである。ワタリガラスC.coraxは北海道に冬鳥として少数が渡来する。これらの種はいずれもカラス属に属し,和名は〈カラス〉とつけられているが,英名ではcrowのほかに,ワタリガラスをraven,ミヤマガラスをrook,コクマルガラスをjackdawという。…

※「ワタリガラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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