ハシブトガラス(英語表記)Corvus macrorhynchos; large-billed crow

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハシブトガラス」の意味・わかりやすい解説

ハシブトガラス
Corvus macrorhynchos; large-billed crow

スズメ目カラス科全長 48~59cm。全身光沢のある黒色ハシボソガラスに似るが,体がやや大きく,が太い。インドのヒマラヤ山麓からシベリア南東部,東アジア東南アジア温帯から熱帯にかけて広く分布し,日本にも全国に留鳥として生息している。9亜種があり,日本には北海道から九州地方にすむ亜種のハシブトガラス C. m. japonensis のほか南西諸島に体の小さな 2亜種,対馬に 1亜種が生息する。高木や建物の上に枯れ枝などを使って巣をつくり,繁殖期のつがい以外は群れで生活する。雑食性で,海岸都会高山までほとんどありとあらゆる場所にすみ,都市部ではごみをあさる。ハシボソガラスより多少澄んだ声で「かーかー」と鳴く。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハシブトガラス」の意味・わかりやすい解説

ハシブトガラス
はしぶとがらす / 嘴太鴉
jungle crow
[学] Corvus macrorhynchos

鳥綱スズメ目カラス科の鳥。全長約56センチメートル。全身黒色。西はアフガニスタンから南・東南・東アジア、北は沿海州まで広く分布し、南方のものはやや小さい。日本全国で普通にみられる2種のカラスのうちの一つである。もう一つのハシボソガラスに比べると、嘴(くちばし)が太くて長く、また都市や山林に多く、農村地域に少ない。

浦本昌紀


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百科事典マイペディア 「ハシブトガラス」の意味・わかりやすい解説

ハシブトガラス

カラス科の鳥。翼長36cm。全身が黒色。よく似たハシボソガラスにくらべ,くちばしが太く,額が盛り上がっている。アジア東部から南部に分布し,日本では全国に留鳥として生息。市街地や森林,海岸などに広くすみ,高木の枝や送電線鉄塔などに巣を作る。雑食性で,カエル,小型哺乳(ほにゅう)類,昆虫やそれらの死体をはじめさまざまなものを食べ,近年は市街地の生ごみをあさることも多い。秋から冬は群れをなしてねぐらをとる。
→関連項目カラス(烏)

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世界大百科事典(旧版)内のハシブトガラスの言及

【カラス(烏∥鴉)】より

…スズメ目カラス科カラス属Corvusの鳥の総称。日本人が一般にカラスと呼んでいる鳥は,日本の各地で繁殖しているハシボソガラスCorvus corone(イラスト)とハシブトガラスC.macrorhynchos(イラスト)である。ハシボソガラスは旧北区のほぼ全域に分布し,日本では九州以北で繁殖。…

※「ハシブトガラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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