一事が万事(読み)イチジガバンジ

デジタル大辞泉 「一事が万事」の意味・読み・例文・類語

一事いちじ万事ばんじ

わずか一つ物事から、他のすべてのことを推し量ることができる。一つの小さな事柄調子が他のすべての場合に現れる。「彼のやることは一事が万事間が抜けている」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一事が万事」の意味・読み・例文・類語

いちじ【一事】 が 万事(ばんじ)

  1. 一つの事を見るだけで、他のすべての事がおしはかられる、一つの小さな事でも、ひいては万事その調子になるということ。
    1. [初出の実例]「高野聖が半弓にて鍋釜盗人を一人射殺たるとて足軽をあづけ、弓大将にせらるるなれば、一事(ジ)が万事にわたる故、何として人を見しりなされん」(出典甲陽軍鑑(17C初)品四〇下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 「一事が万事」の解説

一事が万事

人やものごとは、一つのことにあらわれた結果を見るだけで、他のすべてのことについても推し量ることができる。一つの小さな事柄における傾向全体についてもあてはまること。

[使用例] 二人の宿役人あかしの弥平を連れて見届けに出掛けたが、不幸な利三郎はもはや起てない人であろうという。一事が万事だ。すべてこれらのことは、参覲交代制度の変革以来に起こってきた現象だ[島崎藤村夜明け前|1932~35]

[解説] 今日では、もっぱら否定的なニュアンスで使われますが、古くは長所など肯定的な面にも使われていました。

出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android