宿役人(読み)シュクヤクニン

デジタル大辞泉 「宿役人」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐やくにん【宿役人】

江戸時代五街道などの宿駅で、人馬継ぎ立て休泊などの業務に従事した役人

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精選版 日本国語大辞典 「宿役人」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐やくにん【宿役人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代、宝永元年(一七〇四)、五街道の宿々で、幕府の代官所手代の中から各宿に一人ずつ任命されて、助郷および人馬差立に、不正や支障がないよう監督にあたった役人。往還荷物や助郷人馬などの検査をした。正徳二年(一七一二廃止。宿手代(しゅくてだい)
    1. [初出の実例]「向後は宿役人ども之儀、皆々停止候様被仰出候間」(出典:御触書寛保集成‐二二・正徳二年(1712)二月)
  3. 江戸時代、宿駅の問屋(といやば)に詰める役人。本来は問屋・年寄をさすが、帳付・馬指・人足指などを加える場合が多く、また、名主・組頭・百姓代など村役人を含めることもまれではない。宿役。
    1. [初出の実例]「今般宿役人共勤向其外猥に相成候段入御聞に、厚き御賢慮を以御糺明御座候に付」(出典:追分宿文書‐文久三年(1863)八月)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「宿役人」の解説

宿役人
しゅくやくにん

近世の宿駅の交通関係を扱う役人。宿役人の長は問屋場をあずかる問屋だが,その下に問屋を補佐する年寄がおり,下役人の帳付・馬指・人足指は,人馬継立てその他の宿駅関係実務を行う。宿駅の町村には地方・町方関係の役人がいるが,宿駅関係は別に宿役人が設けられた。問屋・年寄に,地方役人の名主を加え宿三役とよぶこともあるが,宿役人と地方役人は重複することが多い。近世前期の東海道では,宿駅業務に地方役人もかかわったが,交通増加に対応して,1665年(寛文5)問屋給米が毎年下付され,問屋の増加などにより地方役人と宿役人の分離も進められ,問屋の宿役人化がはかられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宿役人」の意味・わかりやすい解説

宿役人
しゅくやくにん

江戸時代、宿駅で人馬継立(じんばつぎたて)の任務にあたった役人。一般に、主宰者である問屋(といや)、補佐役である年寄(としより)をさすが、その下役の帳付(ちょうづけ)、人馬指(じんばさし)などを含めていうこともある。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宿役人」の意味・わかりやすい解説

宿役人
しゅくやくにん

江戸時代,五街道脇往還宿駅におかれ,人馬継立てなどの駅逓事務を取扱った役人の総称。名主,問屋,年寄,帳付,人馬指 (じんばさし) などがあり,名主,問屋,年寄の三役には役給が与えられた。また幕府が宿場の監督のため派遣した役人をも宿役人と呼んだ。

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