一越(読み)ひとこし

世界大百科事典 第2版の解説

絹織物の一種で,一越ちりめんの。普通のちりめんは経糸に無撚の生糸を,緯糸左撚り右撚り強撚糸(きようねんし)を2本ずつ交互に打ち込んで二越(ふたこし)というのに対し,緯糸の強撚糸を左右1本ずつ交互に一越ごとに打ち込んだもの。製織後,精練を行ってシボを出す。他のちりめんと比べシボは細かくしなやかな風合いが特徴。後染織物として用途が広く無地染捺染など柄染して用いる。着尺,コート,半襟,兵児帯,帯揚,長じゅばん,裏地等に,広幅地は洋装地に多用される。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 一つの基準をやや抜け出していること。一段階越えていること。一枚上手(うわて)の域に立つこと。
※評判記・色道大鏡(1678)六「それは、道をしらぬ故に初心にきこゆ。一こし越て鑑見たまへ」
※古都(1962)〈川端康成〉冬の花「太吉郎の店に来ると、〈略〉品調べをした。━漆呉服、白生地、縫取縮緬、一越、綸子」

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世界大百科事典内の一越の言及

【ちりめん(縮緬)】より

…生糸のみ使ったものを本ちりめん,玉糸入りのものは玉ちりめん,紬入りは紬ちりめんなどと呼ぶ。ちりめん緯の配列の違いによってしぼの表れ方,形が異なり,左右1本交互を一越(ひとこし),2本交互を錦紗(きんしや),3本交互を三越,4本交互以上で出るしぼを〈うずら〉,片撚りだけのものは片しぼ,立てしぼ,楊柳と呼び絹縮になる。段ちりめんはちりめん緯と平糸などをさまざまに混ぜて織り込んだもので,経緯に強撚糸を使ったものをジョーゼットクレープと呼ぶ。…

※「一越」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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