一越縮緬(読み)ヒトコシチリメン

デジタル大辞泉 「一越縮緬」の意味・読み・例文・類語

ひとこし‐ちりめん【一越×緬】

《「越」は横糸の数を表す単位》横糸に右り糸と左撚り糸を1本ずつ交互に織り込んだ縮緬。しぼが細かい

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精選版 日本国語大辞典 「一越縮緬」の意味・読み・例文・類語

ひとこし‐ちりめん【一越縮緬】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「一越」は緯(よこいと)一本の意 ) 経(たていと)平糸を用い、強く右撚(みぎより)した緯と左撚の緯を一本ごとに交互に織った平織の縮緬。しぼが細かく硬い。着尺帯地半襟などに用いる。
    1. [初出の実例]「銀鼠の一越縮緬(ヒトコシチリメン)に、黄色い塩瀬(しほぜ)名古屋帯を締めてゐるが」(出典湘南電車(1953)〈井上友一郎〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一越縮緬」の意味・わかりやすい解説

一越縮緬
ひとこしちりめん

縮緬一種緯糸にS撚 (よ) り,Z撚りの強撚り生糸を交互に織り込み,緯糸の段数 (越数) が1段,つまり一越であるところからこの名がある。薄手で,しぼが小さく,しっかりした地風のもの。表面が比較的なめらかなのが特徴で,縮緬のなかでも高級品として明治以降に開発された。産地は,京都丹後,滋賀の長浜などが有名で,ほかに,岐阜桐生新潟などでもつくられる。

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