精練(読み)セイレン(英語表記)scouring

翻訳|scouring

デジタル大辞泉 「精練」の意味・読み・例文・類語

せい‐れん【精練】

[名](スル)
よく練習すること。また、よく鍛えること。精錬。「精練された軍隊
動植物繊維から夾雑物きょうざつぶつや蝋分・脂肪たんぱく質などを取り除くこと。

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改訂新版 世界大百科事典 「精練」の意味・わかりやすい解説

精練 (せいれん)
scouring

繊維製品は通常,染色準備工程,染色,仕上げの工程を経るが,精練は準備工程の一つで,染色や仕上げの作業支障を与えたり製品の仕上がりを害する要因を取り除く目的で行われる。繊維に付着している脂肪質,蠟質,油剤,ペクチン質,のり剤などを除去する工程で,のり抜きなども精練に含めることもある。繊維の種類により異なるが,一般的にはアルカリ水溶液に精練時間を短縮する目的で適当な界面活性剤を加え,繊維とともに加熱する方法がとられる。

 木綿の場合は,繊維の2~3%(重量)の苛性ソーダ(または4~5%の炭酸ナトリウム)を水溶液とし,ロート油,モノポールセッケン,陰イオン界面活性剤,非イオン界面活性剤などを適宜加え,高圧精練がまで約130℃で煮沸したあと水洗する。羊毛の精練は原毛,毛糸,布の形で行われるが,一般には乳化精練法といい,中性セッケン,炭酸ナトリウムで処理する。精練廃液は使用薬剤,脱落した不純物などを含むため,水質汚濁防止法の規制をうける。
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百科事典マイペディア 「精練」の意味・わかりやすい解説

精練【せいれん】

繊維またはその製品を染色する前に,染色や仕上げ作業を順調にし仕上がりをよくするため,あらかじめ洗剤やアルカリの水溶液中で熱して,表面に付着した樹脂,蝋,脂肪などのよごれを除き,また織布のときに使ったのりを抜くこと。精練により生糸に含まれているセリシンを除いたものを練絹という。
→関連項目絹糸紡績染色

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