ブラウス(英語表記)blouse

翻訳|blouse

デジタル大辞泉 「ブラウス」の意味・読み・例文・類語

ブラウス(blouse)

上半身に着用する、ゆったりしたシャツ風の上着。特に、女性・子供用のもの。
[類語]ブレザージャケットジャンパーブルゾンセーターカーディガンガウン上着羽織半纏上っ張りちゃんちゃんこ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ブラウス」の意味・読み・例文・類語

ブラウス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] blouse )
  2. 薄手の布や編地でシャツ風にゆったりと仕立てた婦人・子ども用の上着。
    1. [初出の実例]「すきとほって見えるブラウスに胸を包んで」(出典:月下の一群(1925)〈堀口大学訳〉五月の夕)
  3. ブルーズ
    1. [初出の実例]「美術家らしくブラウズを着た背をかがめ」(出典:伸子(1924‐26)〈宮本百合子〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ブラウス」の意味・わかりやすい解説

ブラウス
blouse

スカートズボンと組み合わせて着用される女性や女児用のゆったりした短い上衣。裾をスカートやズボンの上に出して着るものをオーバー・ブラウスと呼んでいる。また西欧では農民,労働者,画学生などが着用する緩やかなスモックをいう。起源としては中世の西欧で男女ともに着用していた,シュミーズ風のブリオーと呼ぶ短いチュニック風の上衣とみられている。19世紀の終りには,欧米の女性の間に,ハイネックでふくらんだ袖,刺繡(ししゆう)やレース,フリルで飾った白絹,麻,綿製の短い丈のブラウスが,足首までの長いスカートと組み合わされて流行した。女性の社会的進出の増加に伴い,二部式の活動性が受け入れられ,女性がテーラード・スーツを着用するようになると,スーツの下に用いられるようになった。20世紀には,女性の代表的な衣服の一つとなり,今日では表着としても用いられ,季節をとわず愛好されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラウス」の意味・わかりやすい解説

ブラウス
ぶらうす
blouse

婦人・女児用の、腰丈、あるいはそれより長めのゆったりした上衣。襟、袖(そで)の有無ともにあるが、着方によって裾(すそ)をスカートやズボンの下に入れるタックイン(またはアンダー)、上に出して着るオーバー、その両方に着られるイン・オア・アウトなどに分けられる。今日的なブラウスの概念が確立したのは19世紀後半で、1860年赤シャツ隊を率いたイタリアの将軍ガリバルディが着用していたシャツ風の上衣が女性の人気を博し、76年にはイギリスにブラウスの呼称が出現、80年代の女性のテーラード・スーツの普及で、その上着の下に着るものとして定着するに至った。アメリカでは同形のものが、ウエストコートとして1870年代に現れている。今日では四季を通じて、普段着からスポーツ着、おしゃれ着、正装用などとして、幅広く用いられる実用的な衣服の一つとなっている。

 このほか、シャツやスモックに似た、ゆったりした仕事着のこともいう。膝(ひざ)までの長さがあり、腰でベルトを締めるのが普通。主としてヨーロッパの労働者が着るほか、画家農夫が着用する。また、アメリカの軍隊制服で、コートがわりに着るシングルの打合せの背広形のジャケットや、水兵の着るジャンパーをブラウスとよぶこともある。

[田村芳子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラウス」の意味・わかりやすい解説

ブラウス
blouse

服飾用語で,以下の4種をいう。 (1) 膝丈程度のゆるやかなスモック風の上っ張り。荒い麻布,綿布などでつくられ,ベルトをつけることもある。 (2) アメリカ軍の着用する通常軍装上衣。 (3) 女性,子供用のゆるやかなシャツ型の上衣。丈はウエスト線か,その前後でデザインは多様。綿,麻,絹,合繊など素材も変化に富む。 19世紀後半,テーラードスーツの婦人服への導入の際にシャツから発達したもので,表着としても定着した。日本ではこの型のものを広くブラウスと呼んでいる。 (4) 垂れ下がった丈のゆとりやそれによって生じるふくらみ。ブラウジング blousingともいう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ブラウス」の意味・わかりやすい解説

ブラウス

女性と子ども用の上衣。裾(すそ)をスカートの中に入れるタック・イン・ブラウスとスカートの上に出すオーバー・ブラウスがあり,デザインによって男性のワイシャツから変化したシャツ・ブラウスと女性の胴着から変化したものがある。1901年頃アメリカで登場したのが最初といわれる。日本ではゆったりしたものをブラウスと呼び,シャツ・ブラウスは単にシャツともいう。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のブラウスの言及

【シャツ】より

…シャツの流行は色柄だけではなく衿型に多く見られ,衿型の変型を網羅すると,200種類以上が記録されるほどである。なお今日,日本では女性の着るゆったりしたシャツをブラウス,男性のシャツの影響を受けたものをシャツまたはシャツ・ブラウスと呼んでいる。【高山 能一】。…

※「ブラウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

スキマバイト

働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...

スキマバイトの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android