三の切り(読み)サンノキリ

デジタル大辞泉 「三の切り」の意味・読み・例文・類語

さん‐の‐きり【三の切り】

義太夫節時代物で、三段目最終の語り場。ふつう五段からなる1曲の中心となる悲劇的場面で、一座最高位太夫が語る。
講談などの聞かせどころ。

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精選版 日本国語大辞典 「三の切り」の意味・読み・例文・類語

さん【三】 の 切(き)

  1. ( 「三段目の切り」の略 ) 五段物の浄瑠璃で、三段目の終わりの場。見物を泣かせるところで、ほとんど例外なく悲劇的な場面であり、一曲中のやま場となるところ。
    1. [初出の実例]「面白く涙をこぼす三の切り」(出典:雑俳・柳多留‐五七(1811))
  2. 泣かせどころ。愁嘆場。哀切なはなし。
    1. [初出の実例]「お前方の三の切で、こっちも思わず涙をこぼして」(出典:歌舞伎・繰返開花婦見月(三人片輪)(1874)二幕)
  3. 講談、落語などで、もっとも面白い読みどころや、聞きどころ。
  4. さん(三)の切り語り
    1. [初出の実例]「中にも大夫の打扮(いでたち)は、楽屋銀杏天窓(あたま)青黛、〈略〉いはねどしるき三(サン)の切(キリ)」(出典:滑稽本・狂言田舎操(1811)下)

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