三十三身(読み)サンジュウサンジン

デジタル大辞泉 「三十三身」の意味・読み・例文・類語

さんじゅうさん‐じん〔サンジフサン‐〕【三十三身】

観世音が衆生を救うため、場合に応じて変化する33の姿。法華経普門品ふもんぼんに基づく。仏・辟支仏びゃくしぶつ声聞しょうもん梵王帝釈たいしゃく・自在天・大自在天・天大将軍・毘沙門・小王・長者居士こじ・宰官・婆羅門比丘びく・比丘尼・優婆塞うばそく優婆夷うばい・長者婦女・居士婦女・宰官婦女・婆羅門婦女・童男・童女・天・竜・夜叉やしゃ乾闥婆けんだつば・阿修羅・迦楼羅かるら緊那羅きんなら摩睺羅迦まごらか執金剛

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精選版 日本国語大辞典 「三十三身」の意味・読み・例文・類語

さんじゅうさん‐じんサンジフ‥【三十三身】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「法華経‐普門品」による語 ) 仏語。観世音菩薩が、衆生済度のために化身するという三三種の異形(いぎょう)。仏・辟支仏(びゃくしぶつ)・声聞(しょうもん)・梵王・帝釈・自在天・大自在天・天大将軍・毘沙門天・小王・長者・居士(こじ)・宰官(さいかん)・婆羅門(ばらもん)・比丘・比丘尼・優婆塞(うばそく)優婆夷(うばい)・長者婦女・居士婦女・宰官婦女・婆羅門婦女・童男・童女・天・龍・夜叉乾闥婆(けんだつば)・阿修羅・迦楼羅(かるら)・緊那羅(きんなら)・摩睺羅迦(まごらか)・執金剛をいう。三十三。三十三体。三十三応の身。
    1. [初出の実例]「観音誓ひし広ければ、普き門より出でたまひ、三十三身に現じてぞ、十九の品にぞ法は説く」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)

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