日本大百科全書(ニッポニカ) 「三管・四職」の意味・わかりやすい解説
三管・四職
さんかんししき
室町幕府の官職である管領(かんれい)と侍所(さむらいどころ)の長官(所司(しょし))とに任命される家のこと。三管とは、管領が斯波(しば)・細川(ほそかわ)・畠山(はたけやま)の3家から、また四職とは、侍所所司が赤松(あかまつ)・一色(いっしき)・山名(やまな)・京極(きょうごく)の4家からおこった称である。『南方紀伝(なんぽうきでん)』によると、1398年(応永5)足利義満(あしかがよしみつ)は朝廷における五摂家(ごせっけ)・七清家(せいが)の制に倣って三管・四職の家を定めたという。三管の斯波・細川・畠山の3氏と四職の一色氏は、足利一門の家格の高い有力守護で、四職の赤松・山名・京極氏も、畿内(きない)近国の重要な国々の守護を務める有力な大名であり、いずれも幕政の中枢に参与し、幕府体制を支えていた。しかし、応仁(おうにん)の乱(1467~77)以後名目化していった。
[清水久夫]
『小川信著『足利一門守護発展史の研究』(1980・吉川弘文館)』