三菱樹脂事件(読み)みつびしじゅしじけん

世界大百科事典 第2版の解説

私企業が試用期間にある労働者の思想信条を理由として本採用を拒否したところから起こった裁判事件で,私人相互間における憲法上の人権保障の効力,労働者の思想・信条の自由や〈法の下の平等〉と私企業の財産権,営業の自由との関係を問題とすることによって,ひいては日本の資本主義やあり方をも問題とするものであった。 1963年東北大学法学部を卒業し三菱樹脂株式会社に就職した高野達男は,3ヵ月の試用期間の終了する直前に,身上調書に記載すべき点が記載されていないこととその思想が会社にとって好ましくないことを理由として本採用を拒否された。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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