上つ方(読み)カミツカタ

デジタル大辞泉 「上つ方」の意味・読み・例文・類語

かみ‐つ‐かた【上つ方】

うえの方。かみて。⇔しもつ方
身分の高い人々。上流階級。うえつかた。⇔しもつ方
京都で、御所に近い方。上京かみぎょう。⇔しもつ方
「―に、さべき御さまにと、おきて聞こえさせ給ふ」〈栄花初花

うえ‐つ‐かた〔うへ‐〕【上つ方】

《「うえつがた」とも》身分や官位の高い人。貴人
「―の前へ出るのに、白粉おしろいけないのは、此上もない失礼だよ」〈紅葉・二人女房〉

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精選版 日本国語大辞典 「上つ方」の意味・読み・例文・類語

かみ【上】 つ 方(かた)

① 上の方。⇔下(しも)つ方
続日本紀‐天平神護元年(765)一一月二三日・宣命「此に依りて、上(かみツかた)は三宝に供へ奉り」
② 京都の町の御所に近い北の方。上京(かみぎょう)の方。⇔下つ方
※栄花(1028‐92頃)初花「『かみつかたにさべき御さまに』と、掟(おき)てきこえさせ給ふ」
③ 身分の高い人。上流の人。⇔下つ方
※米沢本沙石集(1283)七「京田舎あまねく其沙汰有て、上つかたにも此事有けるにや」

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