上ノ湯(読み)かみのゆ

日本歴史地名大系 「上ノ湯」の解説

上ノ湯
かみのゆ

[現在地名]柳津町砂子原

砂子原すなこはら村の東六町、滝谷たきや川の川床より湧出する温泉で、銀山ぎんざん街道に沿い駅所砂子原村の領内ということもあって、本陣宿を代行した湯御殿が建造されていた。温泉の発見は「会津鑑」に「養老六年小塩ト云所ニ温泉出ツ、養老湯ト名ツク、後ニ是ヲ上ノ湯ト云」とある。湯泉之記(柳津町誌)には伊佐須美明神が発見したので神ノ湯というとあり、五畳敷ごじようじき村下ノ湯に対して砂子原村上ノ湯と称し、もと湯・もと湯と称することもあると記される。銀山街道公道として利用され、駅所・橋・渡船場道標一里塚などが整備され、寛永一〇年(一六三三)諸国巡見使通路に定められて以来、この街道は若松城下伊南いな郷・伊北いほう郷を最短路で結ぶ街道として幕藩の高官たちが会津の五街道並みに利用した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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