上小阿仁(読み)かみこあに

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上小阿仁」の意味・わかりやすい解説

上小阿仁(村)
かみこあに

秋田県の中北部、北秋田郡の村。1889年(明治22)の町村制施行以来、行政変更がない。国道285号が通じる。南部太平山(たいへいざん)に発する小阿仁川流域にあるが、耕地に乏しい。村域の93%が山林原野で、うち75%が国有林であるが、約2200ヘクタールの村有林の大部分スギなどの人工林であり、豊富な蓄積量を誇る。小阿仁川上流には萩形(はぎなり)ダムがあり、村の南部は太平山県立自然公園となっている。面積256.72平方キロメートル、人口2063(2020)、過疎化が進む。

[宮崎禮次郎]

『『上小阿仁村百年誌』(1989・上小阿仁村)』『『上小阿仁村史』2巻(1993、1994・上小阿仁村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「上小阿仁」の意味・わかりやすい解説

上小阿仁[村] (かみこあに)

秋田県中部,北秋田郡の村。人口2727(2010)。小阿仁川上流に位置し,村域の大部分を山林が占め,耕地は3%にすぎない。中心の小沢田には五城目街道(現,国道285号線)が通り近世,秋田と阿仁鉱山を結ぶ交通の要地であった。山間僻村であるが,一帯秋田杉の美林が多く,上大内沢国有林の天然樹林が著名。明治末から村有林の造林が行われ,村有財産が豊かである。上小阿仁川上流には県営第1号の多目的ダム,萩形(はぎなり)ダムがあり,太平山県立自然公園に含まれる景勝地である。ナメコ,ゼンマイの特産地。
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