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下からの美学 したからのびがくÄsthetik von unten

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

下からの美学
したからのびがく
Ästhetik von unten

科学的美学の方法論の一つで,ドイツの美学者 G.フェヒナーの創唱したもの。彼は従来の思弁的美学を「上からの美学」 Ästhetik von obenとし,これに対して経験科学の立場から「下からの美学」を提唱した。すなわち,「下からの美学」がなければ「上からの美学」も成り立たないとし,実験心理学の立場から満足,不満足 (快,不快) の感情の数量的測定を試み,美的印象の量,質両面における原理,副原理を導き出した。彼の提唱した「下からの美学」はそののちの科学的美学の方向に大きな刺激を与え,その直接の継承と展開は T.ツィーエンら少数の試みにとどまったが,しかしその理念と方法論的態度はドイツのブローズ,グロッセらの芸術の生物学的,あるいは社会的考察,アメリカのウィットマーらの実証的立場,フランスのラロ,R.フランセ,D.ユイスマンらの社会学的,あるいは実験美学的立場に引継がれていった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

下からの美学
したからのびがく
sthetik von untenドイツ語

19世紀ドイツの美学者フェヒナーは、主著『美学入門』Vorschule der sthetik(1876)の序文で、従来の普遍的原理から演繹(えんえき)的に特殊へと至る思弁的、体系的美学を「上からの美学」とよんで、その不毛を説き、これに対して個々の特殊経験の記述から帰納的に一般法則を導き出す「下からの美学」を提唱した。これは、当時盛んになりつつあったヘルムホルツやブントの実験心理学に基づいて、伝統的な「多様の統一」や「黄金分割」等の美の規則を、実験的に分析・検証するものであった。[西村清和]

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