不腆(読み)フテン

デジタル大辞泉 「不腆」の意味・読み・例文・類語

ふ‐てん【不×腆】

《「腆」は厚い意》自分に関すること、また自分が贈る物をへりくだっていう語。粗品

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精選版 日本国語大辞典 「不腆」の意味・読み・例文・類語

ふ‐てん【不腆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「腆」は、厚い、善いの意 )
  2. 粗末なこと。粗略なこと。自分に関する物事をへりくだっていう語。
    1. [初出の実例]「謹備香茗羞之奠。敢昭告以不腆之文曰」(出典:峨眉鴉臭集(1415頃)祭絶海和尚文)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐僖公三三年〕
  3. 自分の贈るものをへりくだっていう語。末寺や檀信家への贈物に用いる粗品。永平寺や総持寺など禅寺の大本山で用いる。薄志。
    1. [初出の実例]「不腆黄物、非敢云一レ報。聊以表寸心」(出典:先哲叢談(1816)三)
    2. [その他の文献]〔儀礼‐士昏礼〕

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普及版 字通 「不腆」の読み・字形・画数・意味

【不腆】ふてん

粗物。謙していう。〔左伝、文十二年〕客(秦の使者)曰く、寡君願はくは・魯に徼(もと)め、以て君(魯君)に事(つか)へん。不腆なる先君下臣をして(こ)れを執事に致さしめ、以て瑞と爲し、好命を結ばんことを(もと)む。

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