世能荒山庄(読み)せのあらやまのしよう

日本歴史地名大系 「世能荒山庄」の解説

世能荒山庄
せのあらやまのしよう

瀬野川せのがわ上瀬野かみせの・同下瀬野・同中野なかののほぼ全域にわたる荘園。立荘の事情は建久九年(一一九八)の官宣旨案(壬生家文書)に詳しい。それによると同四年世能・荒山両村が太政官厨家、および後三条天皇御願寺の京都円宗えんしゆう寺に便補されたが、土地の荒廃により納物は所定の五分の一にも及ばない状態であったため、朝廷は国役以下諸役を免除し、官務小槻(壬生)隆職が浪人を招いて開発した。しかし国衙役人や隣荘住人らが境界に異議を唱えるなどして紛争が生じたため、隆職の要請で同八年四至に示が打たれ、田畠山野が立券された。翌年には断絶していた高倉院法華堂(現京都市東山区清閑寺にあった法華三昧堂)の正月国忌の用途にもあてるべく、重ねて官宣旨が出され、国使などの押妨停止、隆職の子孫の当庄相伝が改めて確認された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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