社会集団においてそのとりまとめや事務処理にあたる役であり,その人物を一般に世話人という。村落社会には多くの集団が存在するが,そのなかで世話役が設定されるのは各種の日待(ひまち)や講(こう)である。組織の責任者が他の構成員より上位の存在となるときは世話役とはいわず,組長とか講頭というように長や頭(かしら)を付けることが多い。世話役という場合は,同等の者のなかでたまたまそのことにあたる者という意味が示されている。しかし,単なる順番で務める役ではない。順番の場合は当番とか宿(やど)という。したがって,世話役は組織内に常時存在する役ではなく,特別な事業をするときに,とりまとめ役として設定されることが多い。たとえば,庚申塔や地蔵など石塔・石仏類にしばしば世話人何某と刻されているが,これはその石塔建立に際しとりまとめをした者を示している。世話役の存在は,その集団の内部秩序の基本が上下関係ではなく,対等な関係であることを予想させる。
執筆者:福田 アジオ
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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