両面作戦(読み)りょうめんさくせん(その他表記)two-front warfare

精選版 日本国語大辞典 「両面作戦」の意味・読み・例文・類語

りょうめん‐さくせんリャウメン‥【両面作戦】

  1. 〘 名詞 〙 戦争において、二つ方面を同時に正面として作戦を展開すること。比喩的に、ある目的のために二つの方面から、または二つの手段を用いて事を進めるやり方。
    1. [初出の実例]「よし。恫喝と懐柔。この両面作戦と行こう!」(出典:砂時計(1954‐55)〈梅崎春生〉一六)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「両面作戦」の意味・わかりやすい解説

両面作戦
りょうめんさくせん
two-front warfare

同時に2方面に対して行う作戦で,多くの場合,敵に包囲される態勢にあるか,または腹背に敵のある場合に行われる。敵に対して戦力上絶対優位の立場にあり,十分な自信をもって行う場合と,やむをえず敵に強制されて行う場合とがある。両方面の敵軍を逐次各個に撃破する作戦も,広い意味では両面作戦とみられる。軍の戦力を分散しなければならない点で,多くの場合,両面作戦は不利である。 1936年1月にソ連の M. N.トハチェフスキー参謀総長は,西のドイツ,東の日本に対して,同時に2正面攻撃作戦の実行が可能であると演説し,ソ連軍の両面作戦能力を誇示したことがあった。また第2次世界大戦末期の 45年夏,日本軍は南からのアメリカ軍の攻撃と,北からのソ連軍の攻勢に対し,戦略上の両面作戦を余儀なくされた。

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