改訂新版 世界大百科事典 「中央薬事審議会」の意味・わかりやすい解説
中央薬事審議会 (ちゅうおうやくじしんぎかい)
薬事法第3条にもとづき,薬事に関する重要事項を調査・審議するために設けられた厚生大臣の諮問機関。厚生大臣の諮問に応じて,新医薬品の承認の可否,医薬品の再評価,医薬品・医療用品の品質基準の制定,副作用の被害の判定などについて審議し,答申を行う。厚生大臣はこの答申を尊重して行政措置を講じることになっており,たとえば新薬の承認では,その旨の答申がなければ,厚生大臣の承認は得られないようになっている。審議会の組織,運営などについては中央薬事審議会令および同規程に定められており,委員は56人以内,常任部会,日本薬局方部会のほか,特別部会として,医薬品,動物医薬品,抗菌性物質製剤,医療用品,生物学的製剤,血液製剤,化粧品,安全対策,医薬品再評価,副作用被害判定などが設けられ,さらにこれらの部会の下に,目的に応じて調査会が設置されている。委員および各調査会などでの調査・審議をするための臨時委員は,学識経験者のうちから厚生大臣が任命することになっている。任期は2年。なお,薬事法第4条には,都道府県知事の諮問機関として地方薬事審議会を置くことができると規定されている。なお2001年の中央行政機構の再編に伴い薬事・食品衛生審議会となる。
執筆者:小宮 宏宜
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報