朝日日本歴史人物事典 「中村伝次郎」の解説
中村伝次郎(2代)
生年:生年不詳
江戸中期の劇場振付師。江戸の振付師の元祖志賀山万作直系の志賀山流3代目。道化形の歌舞伎俳優で振付師を兼ねた初代中村伝次郎の次男。後名中村舞扇。元文から明和にかけて主に中村座の振付師を勤め,初代中村富十郎の「乱髪夜編笠」,初代瀬川菊之丞の「百千鳥娘道成寺」などの女形舞踊を振り付けた。初代中村仲蔵著『月雪花寝物語』に「振にては四代中村伝次郎舞扇と申候」とあるのは,この2代目伝次郎を指すと思われ,振付師の第一人者に挙げられている。志賀山流の踊りを得意とした初代仲蔵の師としても名高い。没月日は9月22日とも。伝次郎の名跡は5代で廃絶,女性が家元を相続する場合は志賀山姓を名乗る。<参考文献>守随憲治『歌舞伎序説』
(丸茂祐佳)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報