デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村伝次郎」の解説
中村伝次郎(初代) なかむら-でんじろう
延宝元年生まれ。志賀山万作の子。初代中村伝九郎の門弟で,中村伝次郎を名のり道外方(どうけがた)の歌舞伎役者となる。のち父の跡をつぎ志賀山流2代となり,振り付けと舞の名手と称された。享保(きょうほう)14年2月28日死去。57歳。通称は松川庄之助。俳名は舞扇。
中村伝次郎(2代) なかむら-でんじろう
初代中村伝次郎の次男。元文から明和にかけておもに江戸中村座で活躍,当代随一と称された。志賀山流3代もかねた。門人に中村弥八,藤間勘兵衛がいる。天明元年9月22/25日死去。初名は中村金蔵。後名は中村舞扇(ぶせん)。俳名は舞扇。
中村伝次郎(3代) なかむら-でんじろう
2代中村伝次郎の子。安永元年3代を襲名。丹前物,奴事(やっこごと)を得意とし,鬢(びん)をひくくむすんでいたため奴伝次郎とよばれた。志賀山流4代もかねた。天明3年6月24日死去。
中村伝次郎(4代) なかむら-でんじろう
初代志賀山せい(?-1803)の子。志賀山流9代。江戸中村座で振り付けをしたが,くわしいことはあきらかでない。俳名は賀扇。