最新 地学事典 「串木野鉱山」の解説
くしきのこうざん
串木野鉱山
Kushikino mine
鹿児島県いちき串木野市にある浅熱水性鉱脈型金銀鉱床。四万十累帯の白亜紀堆積岩類を基盤とし,これを覆う中新世後期~鮮新世前期のプロピライト化した輝石安山岩類中に胚胎。約30条の鉱脈(串木野
群)がある。串木野
群はNE-SW系~E-W系が卓越し,NW-SE系の脈を伴う。北西部の荒川
群は一般走向E-W。いずれも一般に南傾斜。割れ目の生成と鉱化作用が繰り返され複雑な鉱脈構造を示す。主脈の1号
は延長2,600m, 傾斜35~45°SE, 脈幅3~50m。鉱石は石英・方解石・アデュラリア脈中に,エレクトラム・ポリバス鉱・ナウマン鉱・濃紅銀鉱・輝銀鉱・脆銀鉱・含銀安四面銅鉱・ヘッス鉱・黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・黄鉄鉱・白鉄鉱など。金は銀黒に濃集するほか,緑泥石/スメクタイト混合層鉱物等の粘土鉱物にも伴う(おしろい鉱)。アデュラリアのK-Ar年代4.0±0.3Ma。1660年ころ発見,島津藩が稼行,20世紀初めから三井鉱山(株)が本格的に開発。1993年までの産出粗鉱量847万t,Au53.6t(品位6.3ɡ/t),Ag445t(品位53ɡ/t)。観光坑道を併設。
執筆者:森下 祐一
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

