主幹制御器(読み)しゅかんせいぎょき

精選版 日本国語大辞典 「主幹制御器」の意味・読み・例文・類語

しゅかん‐せいぎょき【主幹制御器】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 電車電気機関車の主電動機の起動速度調整停止、運転方向の転換制御する装置。〔電気工学ポケットブック(1928)〕
  3. ディーゼル自動車やディーゼル機関車エンジンの起動、速度の調整、停止、運転方向の転換を制御する装置。マスターコントローラー。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「主幹制御器」の意味・わかりやすい解説

主幹制御器
しゅかんせいぎょき

鉄道の電車、電気機関車、気動車、ディーゼル機関車で、運転士が操作して速度を制御する機器。マスターコントローラーmaster controller(略称マスコン)ともいう。

 主幹制御器で直接主回路を開閉することを直接制御といい、路面電車のように短編成、低電圧、小容量の旧型式列車や車両に使われる。また主幹制御器の指令を、別に設けた制御回路を介して主回路に伝えて制御することを間接制御といい、長大編成の総括制御が可能で、高電圧、大容量の車両の制御に用いられており、現在は間接制御が主流である。

 主幹制御器の基本的な機能は、前・後進の指令、要求する制御段の指令などである。運転の形式は国により、鉄道によって異なる。主ハンドルと逆転ハンドルが別個なもの、主ハンドルの回転方向で前・後進を切り替えるもの、主ハンドルから手を離すとばねで原位置に戻り速度の制御を停止するもの、足で踏むペダル式のものなど各種ある。1970年代以降、一つのハンドルで走行・ブレーキの制御が行えるワンハンドル式のものが導入され、その後ブレーキハンドルによりブレーキ制御する機能を一所に組み込んだツーハンドル式の主幹制御器も導入されている。内部機構として、カムスイッチを使用した機械式やロータリーエンコーダを使用した電気式のものがある。また、主幹制御器には、運転士が操作するスイッチや表示灯などを組み込んだものもある。

[石津一正・長谷部和則]

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