客貨を積載し、列車および車両の運転ならびに車両の入れ換えなどの業務に従事する乗務員。鉄道では、運転士が一般的な呼称である。ただし、一部の鉄道会社(東日本旅客鉄道や埼玉高速鉄道)では、運転士に相当する職務に乗務係という名称を使用している。自動車(バス、トラック、ハイヤー、タクシーなど)の運転に従事する乗務員の場合は、運転士のほかに運転手あるいは運転者ともよばれる。
運転の業務は、交通労働の基幹部分をなし、職務上、多くの人々の生命や財産の保全に直接かかわりをもっている。その労働は交通需要と連動した車両の発着時間に制約されるため、勤務時間が不規則になりやすく、肉体的、精神的労苦が大きい。
[松尾光芳・藤井秀登 2021年3月22日]
職務内容は、バスや列車のワンマン化の進展で運転業務のほかに車掌業務にまで拡大している(詳細は「車掌」の項を参照)。列車の運転士となるには、適性検査を経て、国土交通大臣の指定を受けた動力車操縦者養成所における講習課程を修了した後、あるいは国家資格の動力車操縦者運転免許を取得した後、見習い期間を経るのが通例である。
[藤井秀登 2021年3月22日]
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