平行光線束が,レンズなどの光学系の光軸に平行に入射して軸上の点F′で交わったとき,F′を像側焦点と呼ぶが,F′を通る光線と,それに対応する物空間の平行光線との交点から軸に下ろした足H′を像側主点という(図)。同様にして像空間から平行光を入射させたときの物体側焦点F,物体側主点Hを定義すると,HとH′は横倍率が1の共役点である。レンズの近軸結像公式に用いられる焦点距離は主点と焦点の距離であり,物点と像点までの距離も主点から測られる。薄いレンズでは像側主点,物体側主点ともレンズの中心に一致する。
執筆者:鶴田 匡夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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