九地(読み)キュウチ

デジタル大辞泉 「九地」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐ち〔キウ‐〕【九地】

きわめて低い所。地の底。⇔九天
「九天の上から―の底に落ちた気がした」〈魯庵・くれの廿八日〉

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精選版 日本国語大辞典 「九地」の意味・読み・例文・類語

く‐じ‥ヂ【九地】

  1. 〘 名詞 〙 仏語欲界色界(しきかい)無色界三界(さんがい)を九つに区分していう総称。欲界は五趣(ごしゅ)区別があるが合して一地とみなし、それに色界の四地と無色界の四地とを加える。すなわち、欲界五趣地、離生喜楽地、定生喜楽地、離喜妙楽地、捨念清浄地、空無辺処地、識無辺処地、無所有処地、悲想非非想処地の九。九土(くど)。〔大蔵法数‐五〇〕

きゅう‐ちキウ‥【九地】

  1. 〘 名詞 〙 きわめて低いところ。また、いくさをするとき、敵に発見されにくい地。地の底。
    1. [初出の実例]「令諸葛亮八陳、孫子九地及結営向背」(出典続日本紀‐天平宝字四年(760)一二月丙申)
    2. [その他の文献]〔孫子‐軍形〕

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