無色界(読み)ムシキカイ

デジタル大辞泉 「無色界」の意味・読み・例文・類語

むしき‐かい【無色界】

仏語三界の一。色界の上にあり、肉体物質から離脱して、心の働きである受・想・行・識の四蘊しうんだけからなる世界。さらに四天に分けられ、その最上非想非非想天有頂天ともいう。

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精選版 日本国語大辞典 「無色界」の意味・読み・例文・類語

むしき‐かい【無色界】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] ārūpya-dhātu の訳語 ) 仏語。三界(さんがい)の一つ。色身、すなわち肉身を離れ、物質の束縛を離脱した心のはたらきだけからなる世界。色界より上位の世界で、空無辺処・識無辺処・無処有処・非想非非想処の四天から成り、この境界禅定を四無色定という。無色天(むしきてん)
    1. [初出の実例]「或時離地一尺二尺者、〈略〉或伏色界結、蹔生無色界、如地二尺」(出典法華義疏(7C前)二)
    2. [その他の文献]〔倶舎論‐八〕

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世界大百科事典(旧版)内の無色界の言及

【宇宙】より

…欲界,色界は大きさをもつが,それは贍部洲だけでも図6のような規模である。色界の上には無色界があり,瞑想(めいそう)の深さに応じた四つの段階を含む。その中の最高処は非想非非想処で,完全に分別を脱した世界である。…

【三界】より

…サンスクリットでトリ・ダートゥtri‐dhātu。三界とは欲界kāma‐dhātu,色界rūpa‐dhātu,無色界ārūpa‐dhātuの三つの界をいう。色とは物質のことである。…

※「無色界」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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