九天(読み)キュウテン

デジタル大辞泉 「九天」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐てん〔キウ‐〕【九天】

1 古代中国で、天を方角により九つに区分したもの。中央を鈞天きんてん、東方を蒼天そうてん、西方を昊天こうてん、南方を炎天、北方を玄天、東北方を変天、西北方を幽天、西南方を朱天、東南方を陽天という。
2 天の最も高い所。九重の天。⇔九地。
「春琴を―の高さに持ち上げ百歩も二百歩も謙へりくだっていた」〈谷崎・春琴抄〉
3 宮中。九重きゅうちょう。ここのえ。
4 大地を中心に回転する九つの天体。日天・月天・水星天・金星天・火星天・木星天・土星天・恒星天・宗動天をいう。くてん。

く‐てん【九天】

「きゅうてん(九天)4」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「九天」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐てんキウ‥【九天】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 中国で、天を九つの方位に分けた称。いくつかの呼び方があるが、「淮南子」天文訓によれば、鈞天(中央)、蒼天(東方)、昊天(こうてん)(西方)、炎天(南方)、玄天(北方)、変天(東北方)、幽天(西北方)、朱天(西南方)、陽天(東南方)をいう。九野(きゅうや)。〔楚辞‐離騒〕
  3. ② 高い天。天上。大空。
    1. [初出の実例]「翫春雪。春雪紛紛降九天」(出典:文華秀麗集(818)下・奉和翫春雪〈藤原冬嗣〉)
    2. [その他の文献]〔司馬相如‐哀二世賦〕
  4. ③ 宮中。九重(ここのえ)。
    1. [初出の実例]「五夜の漏声は暁の箭を催す。九天の春の色は仙桃に酔へり〈白居易〉」(出典:新撰朗詠集(12C前)下)
    2. [その他の文献]〔王建‐宮詞〕
  5. ④ 九個の天球。すなわち大地を中心として回転すると考えられていた日天、月天、水星天、金星天、火星天、木星天、土星天、恒星天、宗動天をいう。くてん。
    1. [初出の実例]「九天は空中にありて靉靆彌布す」(出典:十善法語(1775)九)

く‐てん【九天】

  1. 〘 名詞 〙 =きゅうてん(九天)④

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普及版 字通 「九天」の読み・字形・画数・意味

【九天】きゆう(きう)てん

大空。清・康有為〔~副島種臣、中国の饌を設く~〕詩 富士たり、東の天 白頭の一老、に枕して眠る 我來つて岳をみ元氣を(くら)ふ 但だ見る、飛雲の九天に滿つるを

字通「九」の項目を見る。

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