デジタル大辞泉 「九字」の意味・読み・例文・類語 く‐じ【九字】 1 9個の文字。2 修験者などが、災害を払う護身のまじないとして唱えた9文字の文句。「臨兵りんぴょう闘者皆陣列在前」と呪じゅを唱え、指で空中に縦4本、横5本の線をかく。中国の道家で行われていたものが、日本の陰陽道や仏教の密教に伝わったもの。九字の印。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「九字」の意味・読み・例文・類語 く‐じ【九字】 〘 名詞 〙 仏語。① 「臨、兵、闘、者、皆、陣(陳)、列、在、前」の九つの文字から成る呪文。葛洪の「抱朴子‐内篇四」に出る「臨兵闘者皆陳列前行」の九文字に由来する。元来、山にはいるときの魔よけの密呪とされたが、密教や修験道(しゅげんどう)にとり入れられて、一切の禍を除く護身呪とみなされた。〔往生論註‐下〕② ①の呪文を唱えながら空中に指先でえがくかたち。縦四本、横五本の線から成る符字をいう。こうすることにより禍いを避けられるとする道教の信仰に由来するもの。日本では仏教のうち、特に密教に取り入れられた。九字の紋。〔和漢三才図会(1712)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「九字」の意味・わかりやすい解説 九字くじ 臨,兵,闘,者,皆,陣,列,在,前の9個の字をいい,一種の呪句で,これを称えつつ縦4本,横5本の線を空中に描けば,災いが除かれ幸福を得るという。中国道家から移入されたもので,修験道や密教でも用いられる。「九字を切る」という。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by